雪降りの川



雪が降っていた金曜日の朝、
クルマのオイル交換などを頼みに、
行きつけのクルマ屋さんに持っていった帰り、
遠回りをして川の側を歩いて帰ってきた。

途中何枚かパシャる。


Untitled

RX100



自分が使っているRX100はMk1だけど、
この小ささと写りの良さは嬉しい。
ズームが200mmまであるMk6を買ったらこれで完結できてしまうような気もする。

どんなときでもポケットに入れて持っていけるのは一番の強み。





さて、2001年にバーノンで自分の店を始めたのは良かったけど、
最初の半年は泣かず飛ばず。

前のオーナーもうまくいかなかったので売りに出していたようだ。
評判もあまり良くなかったみたいだったので、
店の名前も変えたけど、その悪評を払拭するのに半年以上かかった。

きっかけは翌年の1月中旬にバーノンで初めて開催された”テイスト・オブ・バーノン”という催し。
自分達にも声が掛かって参加した。

小さいサンプルをいくつか用意し、
お客さんは入場料を払ってチケットを買い、
一つ1ドルくらいでいろんな店の味を試食できるというものだ。

この催しで審査員がすべての店のサンプルを食べて出した総合得点で優勝してしまった。
カミさんとバイトの子が浴衣姿で行ったのも点数に上乗せしたみたい。

この次の日、地元のラジオではそのことを一日中言いっぱなし。
否が応でも耳に入ってしまう。

新聞でも写真入りで大きく報道されたので、
その数日後から店は一転しててんやわんやの大騒ぎ。

ランチはスシの食べ放題をやっていたのだけど、
スシの食べ放題は珍しかったようで一気に広まり、
それから大人気の店となった。

しかし、2004年ころからカナダの景気が上向くに連れて、
今度は人手不足に悩まされるようになり、
開店当初は募集していなくても履歴書持参でやってきて、
「なんか仕事ありませんか?」と言ってきていたのが募集をかけても来なくなった。

景気が良くなってきたせいか他の仕事も忙しくてそちらのほうが、
皿洗いやサーバーよりも時給が良かったらしい。

それでも店の忙しさは相変わらず上昇中。
日本からワーキングビザで人を集めたりしたものの、
ついに自分が健康的にダウン。
ストレスから肝臓と甲状腺を患ってしまった。

とにかく疲れやすい。
ぐったりで休みの日は、
ソファーでぼーっとしてるとあっとゆ~まに2時間とか経っていたりして、
気がついてから唖然としたりもした。
何もする気力が沸かず。

これでは本末転倒だぞと、2007年夏に店を売りに出した。

幸い知人の一人が店を引き継いでくれることになり、
2007年末をもって譲渡。

その後自分はフリップという、古いボロい家を買って改装して値段を上げて売ると言う仕事を始めたのだが、
時悪く、2007年のアメリカの住宅バブル崩壊の煽りを受けて、
カナダでも不動産価格が暴落。

それまでは売りに出したらあっとゆ~まに売れていた家も、
改装が終わって売りに出してもなかなか売れない。
半年後になんとか売れたのだけど、
予定した金額よりもかなり低くなって、
利益はあまり出なかった。

これではいかんなと、またカミさんと相談して田舎の住み込みでできるレストランの居抜きを探した。

そして見つけたのが今の住居権店舗。
実は前の年、古い家を探しているときに見つけていたのだが、
その時は買う候補に挙がらずにいたものだ。

店として売りに出していたが売れずに、個人宅として売りに出ていた。
しかし個人宅にしてはキッチンが業務用に改装されていたし、
そんなでかいキッチンを個人で使う人もいない。

そしてその後自分たちのお眼鏡にかなって手に入れることになった。
またいろいろと法律に適応するように改装して9月に引っ越し入居。

そして店のオープンに向けて保健所やら消防署やらの手続きをして、
なんとかオープンにこぎつけたのが10月も終わりのハロウィーンの頃。

引っ越しするに当たって、前に住んでいた家も売りに出していたが、
当初の値段からかなり下げても売れない。
結局売れたのは翌年になってから。

いっときは今の住居権店舗の他に前の家、
そして改装して売りに出していた家の3つの家のローンを払うという三重苦。
実際には3つのローンを払っていたのは2ヶ月くらいだったけど、
それでもかなり苦しかった。

なんとか前の店を売ったお金でしのいだが、
店がオープンした頃にはいろいろな手続や工事でそのお金も底をつき、
息も絶え絶え、気もそぞろ。

その後は始めの2年くらいはこれで大丈夫なのかというくらいの売上だった。
人口3千人の田舎で始めたのでこんなもんかと思っていたけど、
2010年ころから売上が上向き出した。

ところが2011年に始まった消費税の改定でBC州のレストラン業界に衝撃が走った。

それまでは2種類の消費税GSTとPSTのうち、
レストランで食べた金額にプラスされていたのはGSTの7%だけだったのに、
それが統合されてHSTというものになってしまい、
消費税は一気に12%になり客足が激減。

あっという間に閑古鳥が鳴くようになった。

ただこれは他のレストランも同様だったようで、
この年にオープンしたこの町のあるレストランは3ヶ月も持たずに閉店していった。

アチラコチラでレストラン以外のサービス業にとってもかなりの不評だったようで、
この消費税の是非を巡って州民投票が行われることとなった。
自分たちは当然NOに投票。

その州民投票の結果でHSTは廃止されて、
もとのGST、PSTに戻ることになり
2013年4月からもとに戻り今に至っている。

でも、州民の声が届いて政府の決定が覆されるのは凄いなと思った。
日本ではこういうことはないだろう。
まさに人民の、人民による、人民のための政治。
日本では政治家の、政治家による、政治家のための政治だ。


それからはゆっくりだけど店も安定してきて、
以前のように仕事に追いまくられることもなく、
自分の人生を楽しみながら過ごせている。

今の店の理想は忙し過ぎず、適度な収入があって年をとっても続けていける規模。
いま、息子が一緒に手伝ってくれているので家族3人でちょうどいい感じ。
リタイヤしても暇を持てあましている人もたくさん居るしね。

死ぬまで現役でいったほうが健康的にもいいと思っている。

70歳くらいまでには古いキャンピングカーでも買って毎年一ヶ月くらいの休みを取り、
写真でも撮りながら北米を旅できたらいいなと思っている。


というわけで一枚の針葉樹の写真からふっと思いついた半生は、
もっと細かいことを書き出したらキリがないのだが、
こんなところでペンを置こう。

拙い文章にお付き合いいただき感謝でござりまする。








[ 2019/02/24 07:59 ] カナダの風景 | TB(0) | CM(4)

そうだったのですか。

今のところに落ち着いたのですね。いい人生ですね。

写真お借りしようと思ったけど以前のように保存できません。

市民が法律を変えることができるなんて羨ましい!日本は一度上がったもの位が下がるなんてことは聞いたことがない・・・

いろんなものが値上げされジワジワと感じています。以前だとスーパーでの日頃の買い物が3000円台だったのが今では5000円代になってる。
[ 2019/02/25 22:01 ] [ 編集 ]

Re: さららさん

写真は一度クリックしてFlickerのサイトに行ってからだとOKだと思います。

[ 2019/02/25 22:21 ] [ 編集 ]

3回に分けての、日本から今のお住いに落ち着くまでの経緯、楽しく読ませていただきました。
波乱万丈、でもなんかこうドーンと構えてヒョウヒョウと人生を楽しんでる感じがよくわかります。

カナダまで、近いようで遠いアラスカ、いつか近いうちに是非寄らせて頂きます。
これからも、美しい写真と楽しい記事楽しみにしています。
[ 2019/02/26 22:40 ] [ 編集 ]

Re: アラスカのマスノスケさん

ワーキングホリデーでカナダに来た時、アラスカHwyを走るつもりだったんですが、
中古で買ったクルマが壊れてお金がかかりいけませんでした。
今もバケット・リストに入ってますのでそのうちアラスカにも行きますね。
[ 2019/02/27 08:01 ] [ 編集 ]

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